ドキュメントは城、有事に備えよ

安きにありて危うきを思う思えばすなわち備えあり

備えあれば憂いなし

これは漢文や歴史で出てきた孔子の残した言葉であり、平時における備えの重要性が説かれています。

この記事では、私たちが大事にしている哲学であり、組織文化を知ってもらいたく、記載しました。

ここでいう平時とは普段の勤務時間。有事とは顧客とのミーティングやトラブルが発生したときのことです。

たとえば、顧客とのミーティングは、ただの「打ち合わせ」ではなく、チームが価値を提供できるかが問われる戦場であると考えています。

そこでは何が決まり、何が保留になり、次に何を打つべきか が見えるかどうかで、プロジェクトの流れは変わります。

言い換えるなら、段取り八分。準備と整理ができているチームは前に進み、できていないチームは同じ場所を回りがちです。

また、ミーティングというのも生物のようなもので予定調和的なものではなく、

その都度、山の天候のように状況が変わることはよくあります。

参加者も論点も前提も変わり、相手側の事情も揺れます。

こちら側も増員や異動、退職、役割変更が起きる。そうなると、プロジェクトを動かしているのが「誰かの記憶」になりやすい。

背景を知る人が強くなり、知らない人は判断できず、結果として意思決定が遅れ、同じ議論が繰り返されます。

特に大きな組織だとタイミングや然るべき展開ができないと一向に展開が進まず、顧客やチームともに疲弊していくというのは、経験したことがある人も少なくないと思います。

だからこそ必要なのは、気合やノリではなく 拠点 です。

ここで言う拠点が、ドキュメントです。ドキュメントは形式のためでも、引き継ぎのためだけでもありません。

顧客を含めた広義のチームが迷わず動くための土台 です。

このチームは顧客の組織のなかでさらに多くの関係者を巻き込んで大きくなっていき、共通認識を形成していく拠点が必要になります。

ドキュメントに残すべきものは、次のような「判断の材料」です。

・要件、マイルストン、前提条件

決めたこと決めていないこと

・決定の理由、代替案、リスクと打ち手

・途中で顕在化したボトルネックと学び

こうして整理して積み上げると、同じ失敗を繰り返さない。温故知新。経験が知恵になり、知恵が再現性になります。

逆のケースもあります。とにかく業務量が多く、次々展開していかないといけないケースもあります。

Slackでやりとりしていたら、いつのまにかスレッドが数時間で50、100も連なっていたというとをリモートワークの時代だとよくある風景だと思います。

一つのタスクをこなすのにこれだけのコミュニケーションが必要であることを可視化された姿と言ってもよいでしょう。

ここで注意しないといけないのは、Slackは探索フェーズの会話や応急処置には強い一方で、共通認識や次の判断の拠り所としてのチーム全体の資産にはなりにくい。

気づけば「言った・言わない」になり、合意が解釈に変わっていきます。当のスレッドは埋もれていきます。いわば 砂上の楼閣 です。

リモートワークでは、この重要性がさらに増します。

オフィスという物理的な共有空間がない以上、チームの共通理解は「記録された言葉」と「合意された事実」に宿ります。

ホワイトボードも隣席の口頭共有もない。あるのは、更新され続ける共通の地図だけです。

だからドキュメンテーションは、バーチャルな拠点そのものになります。

顧客とは常駐でなければ、リモートワーク状態といえ、認識を揃えるのは容易ではありません。

ここでPMの役割が際立ちます。

PMはただ「会議を回す人」ではありません。論点を整え、合意や再現性を積み上げ、判断を残し、詰まりやリスクを先に潰す人 です。

その手段として、ドキュメンテーションが重要になります。「誰が参加しても前に進める状態」を作ります。

ここでつくられたドキュメンテーションが拠点となり、関係者全員でつくりあげていくことになります。言わば、築城です。

作業もありながらドキュメンテーションを行うのは、作業が増えることになり、作業スピードは落ちます。

しかしながら、作業:ドキュメンテーション=8:2などある程度のドキュメンテーションの時間は組み込んでおくことは見積りの段階から考慮しておく必要があります。

単純作業であればまだしも、方向性があっているかや然るべき性能や品質を達成できるかはプロジェクトのアウトプットに直結します。

そもそもプロジェクトを推進するとは、戦国時代に例えれば、前線を拡大することです。前線を広げたら他から侵略されないように、統治していけるように防衛拠点をつくっていかなければなりません。それは議事録を作ることであったり、作業報告書だったりします。

口頭だけで終わる会議や作業結果があるだけだと

再現性も共通認識も顕在化できておらず、リスクが大きくのしかかった不安定な状態といえます。

わたしたちは普段からSlackなどを入れるだけに完結させず、Notionに業務に関するあらゆることを残し、体系化していくことに力を入れています。

生成AIがあるこの時代に、守りだけでなく、大きな攻めの力になりました。新しいドキュメントを作る時も、コーディングするときも、既存の充実したドキュメントから、正確なアウトプットを出力してくれます。

拠点となる城(ドキュメント)は着実に前線を拡大し、成果を積み上げていく良いループが生まれるインフラになっていると感じています。

私たちが求める仲間は、ドキュメントという城を一緒に整え、『彼を知り、己を知れば、百戦戦うこと危うからず』なチームを作っていける人です。

今の時代、生成AIの力を借りれば、記録や整理の一部は加速できます。だからこそ、今は「強いチームの作り方」を学び、試し、磨ける時代です。

今日も一歩ずつ。急がば回れ。積み上げたドキュメントが、明日の意思決定を速くし、チームの勝率を上げます。


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